鳥羽を歩く -慈泉寺ー  (6)

  臨済宗妙心寺派のお寺で山号は海嶽山(かいがくさん)といいます。建長六年(1254)に法燈国師が創建しました。鳥羽八幡神社のところで、青龍神社の境内にある厳島社から藤江村と鳥羽村との結び付きを言いました。藤江村にあります龍泉寺(りょうせんじ)も建長六年(1254)に法燈国師が創建となっていて、慈泉寺とまったく同じ縁起をもち、お寺の名前もよく似ています。

 法燈国師というのは、本名を心地覚心といって承元元年(1207)に信濃国(長野県松本市)で生まれ、永仁六年(1298)に亡くなった鎌倉時代の臨済宗の僧です。29歳の時に出家して、高野山で真言密教を学びました。宝治三・建長元年(1249)に中国の宋に渡って学問を積み、教えを高野山に持ち帰って教義を広めました。亀山上皇・後醍醐天皇から法燈禅師・法燈円明国師という贈り名がつけられました。 〈野々上1丁目〉     (T・Y)