鳥羽を歩く -慈泉寺ー  (7)

 慈泉寺は享保六年(1721)に西嶽和尚が中興しました。西嶽和尚は12歳で仏門に入り、京都で禅学・儒学・詩文を学びました。住職になって間もなく、もともと村には井戸がなく、人々は飲み水を溝から汲んでいました。日照りが続いたり、雨が降ったりすると、水が枯れたり濁ったりして飲み水に不自由します。困っている村人をみかねた西嶽和尚は、井戸を掘りました。ひとたび鋤をおろすと清水が湧き出たんだそうです。村人は、徳をたたえ、このお寺は慈泉寺と呼ばれるようになりました。

 お寺のご本尊は木造の子安地蔵菩薩立像、子授け・安産を願ってお大勢の方が参りにこられます。 〈 野々上1丁目 〉    (T・Y)