【来年度は施設定員に対し入所希望児童数が36名オーバー】
大久保児童クラブは現在、大久保小学校の敷地内にある2階建ての建物で1階の「月組」、2階の「星組」と、2クラスでの育成を行っています。現在の施設の定員は2クラス合わせて130名。ところが、明石市教育委員会青少年教育課が各保育所・幼稚園に対して行ったアンケートの結果、平成25年4月時点の大久保児童クラブへの入所申請児童数が166名と、定員の130名を大幅に上回ることが明らかになっています。また、このまま2クラス編成のままなら1クラスが83名となり、厚生労働省の定める「放課後児童クラブガイドライン」に1クラブの規模として記載されている「1クラブあたりの人数は最大70名」という条件も大幅にオーバーすることになります。
【保護者で署名運動を行い、市に陳情書を提出】
そのような状況でクラブに通う子どもたちの生活はどうなるのか、保護者も指導員も危機感を抱きました。そこで、保護者会で呼びかけて現在クラブに通う子どもたちの保護者ほぼ全員から署名を集め、「十分な広さと安全性を備えた施設の確保」「現在の2クラスから、3クラス以上への再編成」「来年度のクラブの施設と指導員の配置人数等に関する保護者への説明」という3点について、泉市長と公家教育長宛の陳情書を提出しました。
放課後クラブの保護者たちは昼間働いているため、代わりに指導員の皆さんが9名、11月26日に青少年育成課を訪れ、現状を説明し、陳情書を提出しました。しかし、その場で市からの明確な回答は得られず、話の内容から「現在の2クラス編成のままで入所希望者数に合わせて現状の施設を拡張する、工事は2013年4月1日までに完了するとは限らない」可能性が高いことが読み取れました。
【平日の夜、働く母親たちが困難を縫って集結した】
市の対応を受けて、「指導が困難な環境で、子どもの安全を確保できる自信がない」と、指導員の皆さんも進退について悩み、今後の動きについて話し合うために11月29日の19時より緊急保護者会が開催されました。平日の夜、明日も仕事や学校がある状況の中、さまざまな困難を縫って全体の約7割の保護者が集まり、指導員の皆さんも勤務時間外にも関わらず集まって話し合いに参加し、一方では参加者の子どもたちの保育を行いました。一人ひとりが真剣な面持ちで考え、それぞれの意見を述べ、話し合いは2時間に渡りました。ここに掲載した写真は、その様子です。
【子どもたちの安全が脅かされている】
「放課後児童クラブガイドライン」には望ましい1クラスの人数は「おおむね40人」とあり、国民生活センターによる「学童保育の安全に関する調査研究」では、クラブの規模が大きくなるほど、通院・入院日数の長い事故・ケガが増えると指摘されています。一クラスの人数が多くなることで、指導員の目が行きとどかないことによるケガや事故の他、狭く騒がしい環境で過ごすことによる子どものストレス、それによるケンカやトラブルの多発、登所拒否など精神面への影響が懸念されます。とくに新学期の1年生にとっては、生活環境の変化による大きなストレス、疲労がある中、そのような環境で過ごすのはあまりに残酷なことではないでしょうか。親たちにとっては、一人ひとりがかけがいのない子どもです。事故が起こってから市が動くのでは、遅いのです。
【安心して子育てができる明石市であって欲しいという願い】
子どもたちがこのような扱いを受ける現状がある中で、安心して子どもを産み、育てることができるでしょうか。子どもたちが伸び伸びと育つことができるでしょうか。子どもをクラブに預ける保護者は、さまざまな事情で仕事をし、家庭を支え、社会を支え、納税によって市を支えてもいるのです。大久保児童クラブだけでなく、すべての放課後児童クラブが今後このような状況に直面する可能性があります。私たち保護者は、子どもたちにとって安全で快適な育成環境が確保できるよう引き続き市に訴えかけていきます。このことを市民の皆さんに広く知っていただき、考えていただきたいと思い、ここに投稿させていただきました。