鳥羽を歩く - 安養寺・地蔵堂 -  (9)

 毎年、7月23日の地蔵盆の日になると、ちょうちんを下げて安養寺から「どんでんさん」を迎えます。この日だけ、昔の祠あった場所に建てられた、この地蔵堂へと戻ってきます。この「どんでんさん」の名前の由来については誰も知りません。お寺では、泥で固めた祠に安置してあったので、「泥殿」といっていたのが、どんでんになったのでは推測されています。
 地蔵堂のまわりにたくさんのお地蔵様と一石五輪塔が大切に祭られています。ここにある一石五輪塔は、いつごろのものかはよくわかりません。ときどき、寛正二年(1461)、永禄九年(1566)、寛永八年(1631)というように年号が刻まれている一石五輪塔があります。そこから、一石五輪塔は室町時代から江戸時代の始めのもので、御影石・花崗岩で造られたものが古くて、竜山石・凝灰岩で造られたものが新しいと考えています。 <野々上1丁目>  (T・Y)