鳥羽小学校の子ども達は月末になると、「鳥羽っ子の庭」を小学校からいただきます。
内容は翌月の行事予定と、校長先生からの「お手紙」です。
毎日子ども達とのやり取りの中での一コマ、新聞記事で心を痛めたこと等々、読んでみて、私たち職員も時には涙する時もあります。
先日、たまたま昔の「鳥羽っ子の庭」を見る機会がありました。平成22年9月30日に発行された、小川 明校長先生の「お手紙」です。
題名は「ならぬことはならぬ」
会津藩には幼年教育の基本「什の掟」の「ならぬことはならぬ」を思い出しました。「什」とは6歳から9歳までの子どもが区域に身分の関係なく10人で作るグループを指します。そして、その組の年長者である什長が、「什の掟」(年長者を敬う、弱いものをいじめない、うそを言わない、卑怯な振る舞いをしないなど7か条の掟)を読み上げ、最後に、その締めの言葉として「ならぬことはならぬものです」と言ってから、日暮れまで遊ぶのです。「ならぬことはならぬ」とは、理屈でなく、とにかく「だめなものはだめである」という意味です。もちろん「什の掟」にそむいたら罰がありました。約束を守らない子がでたら、その子はもとより、その親も他の9名の家を廻って謝罪したそうです。これは、江戸時代の藩校の話で、今とは時代が違います。と言えばその通りです。しかし、このことから、藩全体で子どもたちの育ちを大切にしていたことがわかります。そして「什の掟」の中には今も大切にしなければならないことがあります。また、大切にしなかったために、今、いろいろな問題が起こっている事柄もあります。
そして
今、大人がすべきこと、それは、ありのままの子どもを見つめること。そして、良いことをすればしっかりと「誉め」、悪いことをすればきちんと「叱る」こと。これは当たり前の事なのです。しかし、残念ながら、、誉めることが下手な大人、そして、叱ることが悪とでも勘違いしているのでしょうか、叱れない大人が増えているといわれています。教育とは、大人が子どもへ、人の生き方、人としてあるべき姿を伝えることです。私たち大人が、日々、示すこと、伝えることが大切だと思います。子どもはまだまだ子どもですから。
今月も子どもたちのため、どうぞよろしくお願い致します。
と、締めくくっておられます。
とてもわかりやすい言葉で保護者の方々へ「メッセージ」が綴られています。子ども達を深い愛情をもって育てていく責任、将来世の中が良くなるか悪くなるかは今の子ども達がどう育つかにかかっています。私たち大人が子どもに真摯に向き合うことの大切さをこの「お手紙」で学びました。
これからも校長先生の子ども達の成長を願う溢れる思いを「鳥羽っ子の庭」から汲み取ってください。