豊作と豊漁を祈願して、悪霊を払う矢を射る、藤江の伝統行事・的射祭が新しい年を迎えた1月14日に執り行われました。
底冷えのするこの日、大勢の見物客が見守る中、大前と4人の弓立衆が古式にのっとり、ゆっくりとした所作で、順に的をめがけて21本の矢を射ます。厳かな振舞の中に歴史と伝統を感じます。
≪的射神事の起こり≫
昔、山王権現21社の神々が鉄の船に乗って藤江の浦に着いた。女人禁止の船に村の女性が乗ったので船は沈んでしまった。それ以来山王21社の神をここに祀った。
又、神々が鉄の船に乗って藤江の浦に着いた時、船夫が誤って巨大なアカエイの鼻に錨を降ろした。怒ったアカエイは船を沈め船夫は船と共に沈んでしまいその霊が鬼神となって村人に害を加えた。見かねた山王権現が弓でこの鬼神を射殺したといい、的射の神事はここから起こったという。